分析化学Ⅰ(平衡論)

東邦大学名誉教授 矢島毅彦

目次

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Ⅰ Introduction

「分析化学」は薬学部の教科としては基礎科目に含まれているが、実は高度の応用科学である。実際の分析では、試料形態は主に「溶液」であり、それに関わる用語と濃度の各種表示法について理解しておくことが分析化学計算の基礎となる。

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Ⅱ 化学平衡論概説

化学平衡を考えるに当たってのポイントは、①反応の前後で質量は保たれていること、②電解質においては、溶液中の正電荷の総和と負電荷の総和は等しい、③反応速度は分子同士の衝突回数に依存するので、モル濃度で考える、である。

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Ⅲ 酸・塩基平衡論

酸や塩基、塩は水溶液中で電離(イオン化)する。電離も化学反応であり、電解質溶液の化学平衡を電離平衡といい、その平衡定数は特に解離定数または電離定数と呼ばれる。電離平衡を利用して弱電解質水溶液の水素イオン濃度を求め、緩衝液の原理を理解する。なお、強電解質については事実上完全解離(=不可逆反応)として扱うので平衡は考えない。

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IV 沈殿平衡(溶解平衡)論

難溶性電解質が水に溶けずに残っている状態では、僅かに溶けた固体が解離し、固体の飽和溶液と共存している。この状態を沈殿平衡または溶解平衡といい、その平衡定数には特に溶解度積という名が与えられている。また、このときの飽和溶液の濃度が溶解度(モル濃度)である。
溶解度は共存イオンの影響を受けるが、共通イオンだけでなく異種イオンによっても影響を受ける。この際、溶液のイオン強度に大きく左右されるため、ここでイオン強度、活量について取り上げる。

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V 酸化還元平衡論

酸化反応には必ず還元が伴うことから酸化還元反応と呼ばれ、この際の電子のやり取りで発生する電位が酸化還元電位である。酸化還元電位はNernstの式で導き出される。この式を用いることにより、系内の化学種の濃度変化や水素イオン濃度の変化による電位の変動や電池の起電力が計算でき、酸化還元反応の平衡定数を求め、その平衡時(当量点)の電位を求めることができる。

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VI 錯体生成平衡論

電子供与性化学種(配位子)と電子受容性化学種(金属イオン)が配位結合で生じた化学種が錯体である。錯体は大別すると錯化合物とキレート化合物になる。前者の配位子はその1分子が金属の配位座の1つだけを占め、単座配位子と呼ばれる。後者では、配位子の1分子が金属の配位座の2つ以上を占め、多座配位子またはキレート配位子と呼ばれる。

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VII 分配平衡論

溶媒抽出では、互いに混合しない2種の液相間における物質の濃度分布をどちらかの液相に偏らせることによって目的物質を濃縮する。この濃度分布が平衡に達した状態が分配平衡である。その平衡定数には、分配係数および分配比がある。
分配平衡も様々な要因によって影響を受けるが、ここでは特に抽出回数、水素イオン濃度および塩析について考察する。

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VIII  イオン交換平衡論

イオン交換体(固相)に結合しているイオン(例えばH + )が、溶液中のイオン(例えばNa + )と可逆的に、しかも当量的に交換(置換)する現象をイオン交換といい、その平衡をイオン交換平衡という。これは他の化学平衡と同様に扱われ、その平衡定数を選択係数と呼ぶこともある。また、イオン交換体内外の電解質濃度の偏りを表すドナン平衡についても触れる。

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